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書道玄海社ものがたり
2021.03.16

第三回 吉田栖堂先生の高弟たち

「書道玄海社ものがたり」では、70余年にのぼる玄海社の歴史を少しずつお伝えしていこうと思います。

第三回のテーマは「書道玄海社の創設者・吉田栖堂先生の高弟たち」です。

日展に連続入選するなど若いころから書家として有名であった吉田栖堂先生の下には多くの門人が集まりました。今回は、吉田栖堂先生の門弟の中で著名な高弟の先生方をご紹介します。

大川虚舟先生
大正14年東京都葛飾区生まれ。大川先生は、吉田先生が立石に引っ越したその日に指導を受けに吉田先生を訪ねたという逸話が残っています。大川先生は、毎日書道展審査会員、東方書道院同人を務められ、日展にも入選されています。後に虚心会書展を主宰、日本書学院の代表などを歴任されました。

大川虚舟先生の作品

<新倉禾亭先生>
大正2年東京都浅草生まれ。新倉先生は、日展に入選され、参議院本会議場の議員投票札の揮毫も担当されました。後に競書誌『洗心』を発行、洗心会会長などを歴任されました。主著に『細字の技法』(日貿出版社、1983年)があります。

新倉禾亭先生の作品

<前田篤信先生>
大正14年生まれ。前田先生は農林省に勤められ、その間特命事項として数万枚の辞令や賞状を揮毫されました。退官後はその技能を活かし、日本賞状技法士協会を設立されました。主著に『賞状の書き方』(日貿出版社、1998年)があります。

前田篤信先生の作品

関口龍雲先生
昭和4生まれ。関口先生は東京都庁に勤められ、長年にわたって当時の鈴木俊一都知事に書の指南をされました。鈴木都知事が揮毫をする際の手本を多数書かれ、東京都庁舎前にある「東京都庁」の石刻の文字も関口先生の指導の下で鈴木都知事が揮毫されたと伝えられています。

関口龍雲の作品

他にも大木騰雲、山崎昇堂、長岡靖林、知久聖風、小川耕堂、荒井玉堂、荒井方斎、松本大鳳、川崎静邨、佐藤暁亭、細谷凌雲、野水吟洞、海藤早峯、垣内瑛峯、牧麗水、伊藤双胤、中村風涯、長津雨塘といった個性的な先生方が初期の玄海社に集まり、まさに多士済々という状況でした。

そして昭和35年、後に2代目会長となる三上栖蘭先生がこの玄海社に入ることとなります。