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展覧会レポート
2021.07.31

刻字のグループ展 『眼と指で楽しむ 書の彫刻 ~チーム光栄 with Blind People』を終えて

書道玄海社幹事 池山光琇が率いるチーム光栄 刻字のグループ展『眼と指で楽しむ 書の彫刻 ~チーム光栄 with Blind People』が、東京都狛江市の泉の森会館ギャラリーにて 2021年6月1日[火]〜6日[日]
まで開催されました。

玄海誌に掲載された手記と会場風景を紹介させていただきます。

刻字のグループ展 『眼と指で楽しむ 書の彫刻 ~チーム光栄 with Blind People』を終えて 池山光琇

 この度、初の試みである「触って楽しむ」刻字のグループ展を、東京都狛江市の泉の森会館ギャラリ―で開催いたしました。

 刻字は彫りのタッチというものがあり立体作品となるため「触って楽しむ」という可能性を秘めております。それであれば視覚障害のある方にも刻字を通して書道芸術を楽しんでいただけるのではとの想いで、玄海展刻字部出品者の有志メンバーと共に、美術や漢字にご興味のある全盲のご夫婦の協力のもと、今回グループ展を開催することにいたしました。

                           

 会場には作品を触っていただけるコーナーや、筆に特殊な液をつけて発泡スチロールに簡単な漢字を書いて凹んだ部分を触って自分が書いた字を理解してもらうワークショップを準備し、キャプションにはすべて点字をいれました。

会場風景の動画です。(音楽が流れます)

会期は6月1日から6日、丁度緊急事態宣言が延長されてしまい、どのくらいの方にご来場いただけるか不安の中での開幕でしたが、このような展覧会が初めての試みということで点字毎日などに事前に取り上げていただいたおかげもあり、総来場者数は200人を超え、その中でも視覚障害者の方が、山梨・静岡・千葉と遠方からも22名いらしていただきました。

盲導犬も一緒です

 そして「実際に刻字作品に触れて貴重な体験ができた」「彫り方の違いなどの刺激が直に指に伝わり別の世界でした」「異なった書道の表現法を体験できました」「みんなが書道を楽しめる方策を示す意義深い展覧会でした」等々、貴重なご意見を頂きました。

 またワークショップは晴眼者の方は目をつぶって体験していただきました。

晴眼者の方からは
「目が見えない状態で字を書く経験ができてよかった」
視覚障害者の方からは
「見えなくでも書道が楽しめる喜びをあじわえました」
と皆様から有難いご感想をいただき、メンバー全員開催してよかった、と手ごたえのある展覧会となりました。

今回皆様から頂戴した数々のご意見を糧にして、刻字を多くの方に挑戦していただきメンバーと共にさらにこの活動を発展させて行きたいと思っております。

池山 光琇
玄海社にお世話になって40年。
書道と刻字を通して、皆さんの人生がよりハッピーになるお手伝いができればと思っています。趣味は、なんちゃって太極拳。

書道玄海社幹事・審査会員|毎日書道展会員|日本刻字協会審査会員|東方書道院準同人|光栄書道会主宰 (東京都世田谷区)|府中市生涯学習センター講師